胸 郭

大阪市東成区今里にあります
鍼灸治療院リーチです。
呼吸と胸郭 についての考察です。

胸郭とは?

肺は風船のように膨らんだり縮んだりします。
左右の胸の中にあり
気道を通ってきた外部の空気を取り込みます。

二酸化炭素が増えた血液が
肺静脈で肺の中へ流れ込み
肺胞でガス交換が行われ
酸素とヘモグロビン(Hb)が結びついた
酸素が多い動脈血となり
肺静脈で心臓へと向かいます。

 

コロナウイルスなどで
気管支を越えて肺まで侵され
ガス交換する「肺胞」が炎症を起こすのが
肺炎です。
使用できる肺胞が少なくなるので
人工呼吸器をつけて対処することになります。

肺は胸郭と呼ばれる
肋骨を主な骨組みとした
カプセルで囲まれており
そのカプセルが拡がり容積を増し
陰圧(大気圧より低く)になることによって
外から空気を取り込みます。


胸郭が広がれば広がるほどより
多くの新鮮な空気が吸えるとも言えます。

 

横隔膜

胸郭の底には横隔膜が張られ
消化器官と区分けされています。

横隔膜は筋肉です。

 

横隔膜の上下動が
胸郭内の陰圧に一番影響を与えます。

 

深呼吸や腹式呼吸では
横隔膜を意図的に動かし
ガス交換量を多くします。

パルスオキシメーター

酸素飽和度

コロナ騒動で広く知られるようになった
パルスオキシメーターは
酸素飽和度を計測します。

酸素飽和度(SpO2)とは
計測する指先の時点での
ヘモグロビンと酸素の結びついている割合

HbO2/全ヘモグロビン です。

~99まで表示される数字です。

仰向けに横になって安静状態で計りますが
それでも数字は変わりますが
・しばらく経っても安定しない
・99まで上がってこない

は注意が必要です。

99が満点でそれ以下の数字94でも
体の中になにか異常があると考えられます。

 

心拍数

パルスオキシメーターでは
心拍数(HR)
も計測できます。

 

HRの値を気にかけてください。

 

起床してすぐの安静時 
歩行時 
椅子に座って落ち着いてる時
など普段のHRを把握しておきます。

SpO2が95あたりを表示しても
HRが普段の数字より15~20高ければ問題です。

例えば椅子に座っていて
SpO2は95だけれど
HRがふだん65ぐらいなのに
85ぐらいを表示している。

この場合 心拍数が上がっていると判断します。


体の中に炎症があるとHRは上がるので
風邪や胃腸の不調なども気づきやすくなります。

SpO2よりHRをよく観察しましょう。

 

 

一般的には発熱すると代謝が亢進され
血流が速くなります。
発熱の原因が病気とは限りません。
運動をしても心拍数はあがります。

階段を駆け上がると心臓がバクバクします。
心拍数が上がった状態です。
心拍数≒血流速度です。
呼吸も
「ゼェーハゼェーハ」
と苦しくなり
呼吸数が増えます。


このとき何が起こっているか
血流が速くなるのだから
次から次へと送られてくる血液で
酸素の供給量も増えそうですが
肺循環の血液も速度が上がっているため
肺胞の毛細血管を通過するとき
酸素が十分結び付けずに
空のまま送られていくヘモグロビンが
でてきてしまいSpO2は低いままになります。

血流量は多いのだけど
空のヘモグロビンが多いので
酸素供給量が足りず
「もっともっと下さい」

で心拍数が上がります。

その対処には人間は自然と
深く大きな呼吸をします。

呼吸数を下げるほうがいいと
体はわかっています。
そのために一回の換気量が多くなる。
「深呼吸」と言われるような
深く大きな呼吸になります。


マラソンの経験がある人なら
上り坂で苦しくなったとき
深く大きな呼吸をして
心拍数を下げられて
「まだまだ走れる!」
思ったことがあるでしょう。

呼吸量を増やす

深呼吸してもHR下がってくれない場合があります。


運動習慣のない人は
大きく息を吐いたり吸ったりした
経験がなく
胸郭が狭くなっています。

息を吐ききってと言っても
ふぅぅとため息ぐらいしか
吐けません。

胸郭に弾力がなく
あまり拡がらないようです。

日頃から運動習慣をつけるべきです。
スポーツまでしなくても
散歩とかウォーキング
通勤では駅の階段を使うなど

一日の間に一度心拍数が上がることをする必要があります。

うつ伏せに寝ると
背中から脇腹にかけて
一本だけ浮かび上がる肋骨があります。
上から数えて10番目の肋骨
「第10肋骨」です。

痩せた人ならすぐわかります。
太った人でも触知できます。

なぜ10番だけ目立つのか?

11番12番は浮肋骨と言われ
先が自由になっています。

10番から上は互いにくっついて
しっかりとした支えられているから
体表に浮かび上がりやすいのです。

胸郭の横の広がりは第10肋骨の端にあたります。


この部分が滑走不足になっていると
胸郭の横の広がりを押し留めてしまいます。

運動習慣のない人はこういう状態です。

他にも姿勢が悪くても
胸郭は広がりにくくなります。
円背で鎖骨が下がっていると
肋骨の前の部分が持ち上がりません。

リーチではこの部分のリリースを施しています。
ミオラブで行うと骨の上をゴリゴリされるので
痛いとかくすぐったいとか言われるのですが
そういう場合は実は状態がよくありません。

繰り返し行うとそういう違和感もなくなってきます。

それだけで酸素の摂取量はかなりアップしています。
楽に胸郭が広がっているので
自然な吸気も楽になっていきます。


第十肋骨刺鍼という名称でのメニューもあります。

ご相談下さい。


あなたのご来院を
心からお待ちしております


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